「西洋医学は悪」「代替療法は善」ではない

とかく私の発信や主張をよく考えずうのみにする人は、とにかく西洋医学は怖い、西洋医学は悪だ、西洋医学はお金儲けにすぎないと考えますが、私からすれば代替療法も大差ありません。まずはこんな安直な善悪論法ではなく、西洋医学や代替療法の特徴を基本から理解することが重要です。

そもそも西洋医学は対症療法の筆頭です。救急こそ王道であり解剖学ベースであることが長所なので、それを生かすことです。対症療法が必要になる場面は意外と少なくありません。

現代西洋医学の何が問題かというと、全員それに頼りすぎだということなのです。効果がない、逆効果で悪くしている、対症療法ではよくなりようもないものに平気で使い続けているからこそ、西洋医学批判は止むことがないわけです。「いつ用いるか」によって毒にも薬にもなるのです。

一方、代替療法とは現代医学の代わりに用いられる医療です。代表的なものとして東洋医学などの伝統医学、免疫療法、分子栄養学、ホメオパシー、ハーブやアロマテラピー、オステオパシー、精神療法などがあります。そのほとんどが、古典的な医学をベースにしています。

注意しなければならないのは、代替療法に代表される治療の場合、ほとんど資格もいらないまま横行し、法外な値段がつけられていたり、好き勝手に効果を喧伝したり、効果が出ていないのに推奨され続けたりすることもよくあります。つまり西洋医学批判はそのまま表裏一体で代替療法にも当てはまるのです。

人類において完全な医療方法はいまだに存在していません。確かに代替療法が古い医学を活用することによって、人間の自然治癒力や現代医学がおよばないレベルのさまざまな理論を用い、改善に努力していることは間違いありません。

しかしあまりにも野放しの状態なので、代替療法を活用しようとする時は、つねに懐疑的な視線を向けつつ、それがどのような結果や治癒をもたらしたかということによって判断をする必要があります。完璧などどこにもないのです。

日本の国費の中で最大を占めるものは医療費です。医療費の増大は国家の破綻を示唆していますが、医療費を削減する方法の一つとして、今まで述べたことへの国民の理解、西洋医学の縮小、自費診療としての代替療法の普及は大事なことでしょう。これさえも日本では期待するのが難しい状況ですが。
 

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