スタッフコラム 「家族のあり方」

家族のありかた

さて皆さん、家族とは何でしょうか?

と、聴かれたとき、あなたはどのように答えるでしょうか?

どのような家族のあり方が好ましいと思っていますか?

 

私は仕事柄、一般の方よりも多くのご家庭のあり方に接してきました。

それを踏まえてお話をさせて頂こうと思います。

 

一昔前の日本では、大家族が基本でした。家長制度も当たり前にありました。

家庭にははっきりとしたリーダーがいたのです。

昭和の初期くらいまでが大家族制度が当たり前だったのかもしれません。

そして戦後ますます核家族が増えてきました。

 

動物の世界では、男性と女性が知り合い、お互いに好意を感じて、一緒になる。

そこで、出産、育児して、子どもが独り立ちするようになると巣立っていく。

日本人の場合は、「家」が基本的な考え方の中にありました。種族を繋いでいくということだったのでしょうね。

 

多くの場合、長兄があとを継ぐ事が当たり前でした。

そして、家長制度が普通で、厳父慈母が基本でした。

 

 

以下goo辞書より転載

 

厳父慈母とは、わが子に対して厳しい父親と愛情の深い母親のこと。

注記「厳」は、きびしいさま。「慈」は、いつくしむ・かわいがるで、「慈母」は、愛情の深い母親のこと。「厳父」「慈母」は、いずれも自分の父母に対する尊称として用いることば。

 

https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E5%8E%B3%E7%88%B6%E6%85%88%E6%AF%8D/ より引用終わり

 

 

地震、雷、火事、親父という言葉もありましたね。

 

近所のおじさんも子どもたちに色々なことを注意してくれていましたよね。

現在では、そういうおじさんもおばさんもいなくなりました。

昔に比べると、子どもたちにとって怖い人がいなくなってしまったのかもしれませんね。

童話にしても、昔話は悪いことしたらすぐに殺されたり、やっつけられたりするお話が多かったですよね。

 

私が多くのご家庭のお話を聴かせて頂いて感じることの一つに『父性』の欠如があります。

父親がいたとしても父親の役割をしていないということです。

実際にシングルマザーのご家庭もありますよね。

シングルマザーの場合、父親、母親の役割を同時に担われていてとても大変だとおもいます。

 

 

「児相利権」南出喜久治著の中には次のような記述があります。

少し古いデータですが引用させて頂きます。

民法第822条は,「親権を行う者は,第820条の規定による監護及び教育に必要な範囲内でその子を懲戒することができる」として,親権者の懲戒権を定めている。

親権者は民法第820条の「監護及び教育」として同様の行為をすることができるとの指摘がある。

引用終わり

そこで民法を調べてみました。

第820条【監護及び教育の権利義務】

親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。

第822条

親権を行う者は、第820条の規定による監護及び教育に必要な範囲内でその子を懲戒することができる。

 

躾をするときに、民法では親の懲戒することは認められていましたが、令和元年に見なおされているようです。

詳しく知りたい方はこちらをお読みください。

http://www.moj.go.jp/content/001305374.pdf

 

 

 

体罰も虐待の区別もはっきりしない状態になってきていて、ますます、怖い人がいなくなって家長という考え方もなくなっているように思えます。

 

しかし、児童相談所は、この境目を的確に判断できない。

現在、児童相談所が虐待だと認めたら、虐待になるとされているのです。

また、学校においても、体罰が禁止されているので、教師が弱い立場に立たされているようにも思えます。学校の教師に体罰をすることができないとしたら、児童生徒が教師に暴力を行ったとしても、体罰を与えることはできません。

学校教育法第11条は「校長及び教員は,教育上必要があると認めるときは,文部科学大臣の定めるところにより,児童,生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし,体罰を加えることはできない。」

いかがですか?ここまでみてくると子どもにとって怖い人がいなくなっていませんか?

どちらがいいのかということではなく、それだけ家族のあり方に変化があるということです。

 

父性の存在を感じることが出来ないというのもこのあたりから感じています。

父親って怖いだけの存在だけではなく、リーダー的存在です。

 

何でも民主主義!という感じで話し合って決めるご家庭が増えているのでしょうか?

私は、そうは思わないのですが、皆さんはどのようにお考えでしょうか?

 

確かにコミュニケーションは大事ですから、話し合うことはとても大事な事だと思いますが、それだと何時までも決まらないということも出てきそうですよね。

 

いざというときの決断をするのがリーダーの役割

 

これは、家庭内のみならず、あらゆる組織においても、みられる現象ではないでしょうか?

どうでもいいような小さなことまで話し合いできめる。

迅速に話し合いが行われるならいいのですが、だらだら何時までも引きずってしまうという事はありませんか?結局うやむやになったり、面倒になったり(笑)

 

これも昨今の家庭のあり方の影響もあるかなと感じています。

どういう家庭でも、家族のあり方でもいいと思いますが、色々なご家族を拝見させて頂いてきて思うことは、父性も母性もほどほどがいいのかなと思います。

極端に強くなっても弱くなっても、問題は起きます。

 

ドラマ

「北斗 ある殺人者の回心」 というドラマがあります。

こちらは父性が強すぎて虐待している家族を描いた作品ですが、いずれにしても、家族のあり方は人間の性格形成には重要な影響を与えているのだということがよく分かります。

関心ある方は、是非ご覧になってみてください。

甲斐由美子