【スタッフコラム】七世代先を考える子育て

七世代先を考える子育て

「かつて日本は世界でも有数の子育て上手な国」と聞いて、驚かれる方はどれほどおられるでしょうか。私ももうすぐ50歳になり、一人子どもを育てさせていただきましたが、「日本が世界一子育ての上手な国であっても過言ではない」(ドクター久徳の子育て勉強会より)という言葉をこちらの子育て本から見つけ、とてもびっくりしました。それは、自分自身がとても子育てに苦労し、どう子どもに向き合えばよいのかわからず、何を相談してよいかもわからず、結果、うつになってしまったからです。病気を作り出し、病気を利用して子育てから逃げてしまいました。私と同じ、もしくは育児で悩むお母さんお父さんは現代では多いのかもしれません。

私の子育て下手の一つの理由は、自分が親からどのような子育てを受けてきたのかあまり覚えておらず、家庭の事情で放置が多かったので記憶にないというのがあります。受けていないもの、見ていないものを子どもに注ぐのは難しいのかもしれません。実際にどう対応してよいのか難しさを感じていました。

そして、もっとも大きな理由は、「七世代先を見据えて子育てをする」という生物として当たり前の本能や感覚を持っていなかったからです。

昨年の8月には、市民がつくる政治の会の全国同時ZOOMお茶会が開催されました。テーマは「脱コロナ時代の子育て」でした。内海代表の話された内容の中で、「我々大人は子どもたちに、教祖レベルで何か語れるか」そのようなことを言われていました。自分の生き方やポリシーや死生観などでしょうか、そういう哲学的な考えや、生き方や考え方や、子どもたちに引き継いでほしい価値観を語れるか、そういうことを語ることができるかということではないでしょうか。

私にはとてもできませんでした。七世代先を考えて物事を決めるという視点もなく、ポリシーもなく、周りに合わせる生き方が常であり、自分のことで精一杯でそれゆえ親に合わせてもらうような子育てでした。我が子の命が七世代先の命と結びついているなどという価値観は全くなかったのです。自立した姿を見せることができなかったとても愚かな親でした。弱い人間でした。

内海代表と同じような価値観を持っておられる、小児科医の真弓定夫先生の書籍もいくつか読まさせていただきました。真弓定夫先生も内海代表と同じように、七世代先の子孫にどんな影響を及ぼすか、熟慮し決定している民族ネイティブアメリカン(インディアン)に共感を持っておられます。そして彼らは、自分たちが現在あるのは、七世代前の先祖が、まわりの生活環境全体を自然のままに残しておいてくれたからなのだという考え方が身についているそうです。そういう考え方、生き方を先代が自ら見せてきたので、子孫はその背中を見て同じようにしているのだと思います。命を繋いでいくためには次の世代だけではなく、「七世代先を考えて物事を決める」という視点をまずは持つことが重要なのだと思いました。私はお二方から聞くまでは全く教わったことのない視点でした。

真弓定夫先生の書籍の中で、「私ども子どもの頃には、覚他の精神(自分だけでなく、周囲の万物に対して配慮する気持ち)をしっかりと教えこまれて成長してきました。」と、このように語られていました。この考え方、生き方はまさに「七世代先を考えて物事を決める」ことに繋がるのではないでしょうか。現代では周りを見渡した時、この「覚他の精神」を持っておられる方はどれくらいおられるのでしょうか。七世代先を考えて子育てをされておられる親御さんはどれだけおられるでしょうか。残念ながら、私も含め周りにはいません。考えておられる方がいたとしても、次の世代くらいではないでしょうか。

どうして私たちは七世代先を考えて物事を決めることができなくなってしまったのでしょうか。教えられることもなければ、その後姿を見てこなかったことが大きいと思いますが、別に考えられる要因は、「精神が弱くなってしまった。」そう私は考えています。弱いから何でもかんでも人に質問し、答えを求め、決定してもらい、決定したことにさえ責任を取ってもらう。それがこの日本の国の人たちであり、奴隷民なのだと思います。弱いから奴隷になりやすくなり、安易に薬や医療にすがってしまうのだと思います。簡単にいつでもどこでも薬が買えるようになってしまいました。便利な世の中で得るものも多いかもしれませんが、精神性など失ったものも多いと思います。

七世代先を考えるとともに、私たちはそれぞれが精神を強くしていくべきではないでしょうか。その強さを子どもたちに見せていくべきではないでしょうか。安易に何かに飛びつく前に、考える姿勢を、その背中を見せるべきではないでしょうか。私たち大人が生き方や考え方を変えなければ社会も国も変えることはできませんし、子どもたちが心身ともに強く逞しくなることもありません。

いろいろと精神を強くする方法はあります。神社の石段を登ったり、普段は車や電車の移動を歩いてみたり、また、不自由さを経験するために屋外でキャンプなどするのもいいと思います。そして、そうすることにより、いろいろと考えるようになります。様々な方法があると思いますので精神を強くし心身ともに強さを磨いてみてください。

そして、一番大切なことは、子どもたちが「この血を引き継ぎたい」と思えるくらいの家庭を作ることだと思います。毒親毒家族の血など誰も引き継ぎたくはないと思います。子から尊敬される親であるためには、やはり子どもたちを大切にすることだと思います。自分の命以上に次世代に繋がっていく命を大事にしていくことだと思います。命を大切にし、万物に対して配慮する気持ちがあれば、自ずと親を敬い、その血を引き継ぎたいと思い、その思いが七世代先へと繋がっていくと思います。

ですから常に「七世代先を考えて物事を決める」意識した子育ては重要であり、今、もっとも取り組むべき事柄です。

私は極小単位である家庭が円満であれば、その周波数は社会に大きな影響を及ぼすと確信しています。車を運転中に道を譲った時に、譲られた方の多くは次に道を譲る行動を取っている光景を見かけます。波の伝わる速度はとても早いです。

しかし今現在、社会や地球上は悪い状態であり、その状態ゆえ極小単位である家庭内がボロボロでありコミュニケーションも取れておらず、子どもの心さえも読み取れない親ばかりになってしまいました。言葉や薬で子どもをコントロールする親ばかりになってしまいました。「しなさい」「早くしなさい」「してはいけない」という言葉をよく耳にしませんか。実際に親でしたら誰もが使ってきた言葉ではないでしょうか。

この国の若者の死因第一位は自殺です。子どもたちは苦しんでいます。そして、この国の状況は私たち大人が次世代どころか、目の前の子どもたちの命さえ軽視していることになります。

このような国をそんな簡単には子育て上手だった国に戻すことはとても難しいと思います。それでも、これ以上、若者が死を選択するような国にしないためにも私たち大人が早急に動いていくしか方法がありません。私たち大人から生き方や考え方を変えていくしか方法はないです。

ぜひ、日本や社会を変えていきたい、このコロナやワクチンの問題をなんとかしたいという前に、家庭のあり方、子育てのあり方を考えてみてください。そして、この日本の現実という、目を背けたくなるような「闇」に向き合う強い精神を養い、目の前の子どもたちの命を、自分の子どもだけでなく、すべての子どもたちの命を自分の命以上に大切にしてください。それが本当の意味でできた時、我々大人は「七世代先を考えて物事を決める」という生き方を体現できていることになります。

 
中村 文江
 
 
 
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